30回 夏のインターウニ・ゼミナール(ドイツ語ドイツ文化ゼミナール)

30. interuniversitäres Sommerseminar für deutsche und japanische Kultur

インターウニ・ゼミナールは、ドイツの文化・社会に関心を持つ日本人とドイツ語圏の学生・教員たちが、さまざまな大学から集まって(interuniversitär)、一つのテーマについて日独の文化を比較・対照しながら(interkulturell)、専門の枠を超えて(interdisziplinär)、ドイツ語で話し合うゼミナールです。また、参加者が、国籍や文化の違いはもちろん、先生と学生、学生と社会人といった立場の違いや世代差・性差を超えて討論し、互いに学びあうこと (Inter-Lernen)が重要だと考えています。このゼミナールが目指しているのは、単なるドイツ語会話の練習ではなく、現代のさまざまな問題について、ドイツ語母語話者もまじえてドイツ語で議論することですあり、その経験が参加者の専門研究や今後の社会での活動と結びつくことも期待しています。また、今回も韓国から講師と学生を招待する予定です。彼らアジアの隣人たちとも、ドイツ語を共通語に、interkulturellな議論をすることができるでしょう。ちなみに1978年に創設されたこのインターウニ・ゼミナールは、今回、第30回という記念の開催となります。

 

「感動」の政治学 ― Politische Dimensionen von Ergriffenheit und Begeisterung

 

「感動」という言葉によく遭遇するようになりました。ケガにもかかわらず優勝した貴乃花を讃えた小泉元首相の「痛みに耐えてよく頑張った。感動した!」という7年前のパフォーマンスを思い出す人もいるかもしれません。「感動」を約束する小説や「泣ける」映画があふれていますが、「感動の大ヒット」作を見て、共感できず首をかしげたり、居心地の悪い思いをしたりしたことはありませんか? メディアを席巻する「感動」の嵐は、それに感動しない人間を排除する暴力性さえ持ち合わせているようです。

「感 動」とは、ごく自然で普遍的な心の動きのように見えますが、少し歴史をさかのぼり、別の文化圏に目を向けてみると、人がどんなものに感動し、またその感動 をどう表現するのか、そのあり方は時代や文化的なディスクールによって強く規定されていることが分かります。また、芸術作品を生み出す原動力となるような 深い個人的な感動体験と、メディアにおいて演出される、多くの人と共有する感動とは、何か違うもののようです。

こ の「感動」と「政治」にはどんな関係があるのでしょうか。たとえば、普遍的な感動を呼び起こすと思われたオリンピックの聖火が、立場を異にする陣営の意見 表明の場となる例を今回私達は目にしました。大陸を横断する聖火リレーを最初に導入したのが、1936年ナチス政権下のベルリン・オリンピックであったこ とは示唆的です。その聖火リレーは、リーフェンシュタール監督のオリンピック映画に記録され、また開会式は史上初めてテレビでライブ中継され、その感動は 多くの観客のもとに届けられました。人々の感動はどのように演出され、感動のあとには何があったのでしょうか。このような「感動の歴史」を繙くことで、感 情操作と手に手を取った政治的次元の議論も透けて見えるかもしれません。

ところで、「感動」は、ドイツ語でなんと表現したらいいのでしょう? 戦後の代表的なドイツ文学研究者であったエミール・シュタイガーは、«begreifen, was uns ergreift» (われわれを感動させるものを理解すること)こそが文学研究であると述べ、後に議論をひきおこしました。それに対し、例えば先の「感動した」という小泉元 首相の発言は、むしろbeeindrucktとかbewegtといったドイツ語の方がふさわしいかもしれません。コンサートやスポーツの試合に行って感動 すれば„Ich bin total begeistert!“とか叫ぶことになるでしょう。ドイツ語を介して考えてみると、さまざまな「感動」の違いが見えてきそうです。

今回のゼミでは、このような「感動」の変遷の歴史をたどり、また「感動」をめぐる政治的次元について討論することで、ぜひ一緒に「感動的」なゼミナールを作っていきましょう!

 

ゼ ミでは基本的に、小人数グループで、事前に配布されるテクストについてじっくり討論し、その後、議論の内容を全体会で報告してさらに全員で討論します。発 言はなるべくドイツ語でするよう挑戦しますが、ドイツ語に自信がなくて「何か言いたいことがあってもどう言えばいいのかわからない」、あるいは「ドイツ人 の発言がよくわからない」といった場合には、日本語も使って発言や理解を助けあうようにしていきます。自由時間には野尻湖や湖畔で水泳、ボート、ジョギン グ、サイクリング等のスポーツで思いっきり気晴らししながら、ドイツ語での議論漬けとなる充実した5日間を過ごしましょう! 

    定員に達したため、申込みは締め切りました。多数の申込み、ありがとうございました (7月22日) 

楽しく充実したドイツ語漬けの5日間が待っています。さまざまな大学からの参加を期待しています!

        20086

・ 日  時: 2008年82()8()

・ 場  所:  389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻湖 ほとり荘   Tel: 0262-58-2606

・ 参 加 費: 39,000円 泊5日の宿泊・食事を含む。交通費は含みません。)

・ 参加資格ドイツの文化・社会に関心を持ってドイツ語を勉強している学生・院生、および社会人

           (3年程度以上のドイツ語学習歴があることが望ましい。専攻は問いません。)

・ 募集人数: 25名程度

    申込締切: 2008年7月20日(日)

・  申込先: http://www.interuni.jp/anmeldung 申込みフォームから

(携帯から申し込む場合は https://www.formzu.net/mfgen.ex?ID=P89492155)

 ◆        上記申込みサイトが使えない場合や、申し込みしたのにメール連絡がない場合、またゼミについての質問がある場合等は、メールで実行委員会宛に連絡してください http://www.interuni.jp/mail)。

◆   インターウニについてはhttp://www.interuni.jp/を、また、過去のゼミナールについては 

http://www.interuni.jp/Sommergeschichte.htmlをご参照ください。

◆   往復の交通手段として、東京(新宿駅)から現地まで往復バスをチャーターする予定です(片道4500円程度の予定)。

 

講 師(予定): 相澤啓一(筑波大学)、Mechthild Duppel-Takayama (慶応大学)、Bettina Gildenhard(同志社大学)、浜崎桂子 (立教大学)、Herrad Heselhaus(筑波大学)、 斉藤渉(大阪大学)玉川裕子(桐朋学園大学)、 吉島茂(聖徳大学) ほか

 

  インターウニ実行委員会 代表相澤啓一、浜崎桂子

(ホームページ: http://www.interuni.jp/  連絡先http://www.interuni.jp/mail)

協 力:   Goethe-Institut (ドイツ文化センター)

Deutscher Akademischer Austauschdienst(ドイツ学術交流会)