Das 14. interuniversitäre Sommerseminar für deutsche und japanische Kultur
ボーダーレス−異質性との共存 Offene Grenzen, offene Herzen?
                
 インターウニ・ゼミナールは、ドイツ語やドイツの文化・社会に興味を持っている日本人と日本にいらっしゃっているドイツ人が集まって、大学や専門、文化や国籍、性別や年齢の違いを越えて、一つのテーマについて、日本とドイツを比べながら、ドイツ語で話し合う催しです。この3年ほどお休みにしていましたが、この夏あらためて再開することになりました。
 今回のテーマは<ボーダーレス>です。ベルリンの壁の崩壊、東西ドイツの統一、そしてヨーロッパ統合への動きと、この3年間にドイツをめぐる状況は大きく変化しました。国際的な外国人労働者の動きや世界貿易の拡大を考えれば、政治・経済の世界ではますます「ボーダーレス化」が進んでいます。しかし、いま「ボーダーレス」ということは、私たちとは縁遠い、新聞記事の中だけの出来事ではなくなっています。私たちがさまざまな国々や文化に興味を持って旅行したりするだけでなく、私たちの日常生活においても、身の回りにはさまざまな外国からの情報や商品があふれ、大学で外国から来た留学生と知り合ったり、電車やレストランで外国人労働者と隣り合ってすわったりしています。でも、これだけ日常的な国際化や国際交流が盛んになっていながら、私たちの心の「開国」はどれだけ進んでいるでしょうか。私たちは文化や心の面において本当に「ボーダーレス」な社会に生きているのでしょうか。
 このような状況のなかで、ドイツという「異質」な文化や社会と関わっていくことには、どのような意味があるのでしょうか。われわれはドイツ語を学んだり、ドイツ人とつき合ったりするときに、どのような期待や好奇心、好意や反感を抱くのでしょうか。また、それはなぜなのでしょう。他方、ドイツ人は日本の文化にどのような「異質性」を感じるのでしょうか。あるいは、日本の文化や社会には、私たちにとっても「異質」な部分があるのではないでしょうか。いろいろと疑問は尽きませんが、こうした問題について、ごく身近な日常的なことのなかに潜む文化の差異を手がかりにして、最近新聞を賑わしている民族問題や外国人排斥等の裏に一体何が潜んでいるのかとか、そもそも「異質性」というものが私たちの経験の中でどのような意味を持っているのかということも含めて、いろいろな角度から見ていきたいと思っています。
 とはいえ、このゼミナールの目的は、アカデミックな話題も日常的な視点から見直すと同時に、身近な問題の中に勉強や研究にかかわるような問題を新たに発見するきっかけを見出していくことにあります。そして、そのためには、ゼミに集った人たちがそれぞれに、日本人とドイツ人の間の違いや先生と学生の立場の違い、世代や性別による感性の差、そして(ひょっとしたらベルリンの壁よりも厚いかもしれない)専門の間の壁を打ち破って、それこそ「ボーダーレス」な討論を繰り広げていってほしいと思ってます。
 ゼミのやり方としては、なるべくドイツ語で発言する練習をしたいと思いますが、言いたいことがあるけれども、ドイツ語でどう言うのかわからないというときは、もちろん、日本語で発言してドイツ語でそれをどう言えばいいのか、みんなで考えていくことにしたいと思いますし、先生たちもそこで通訳の練習をするのを楽しみにしています。基本的には、午前中に小人数のグループで、文学や政治や社会や思想など、いろいろなジャンルのテクスト(ドイツ語、日本語、ビデオ等)を読んだり、見たりしてディスカッションし、午後はその内容をドイツ語でまとめてお互いに報告するようにして、全員で討論することにします。晩には映画などの催しを予定しています。
 このように、このゼミナールはとても「欲張り」なゼミナールです。ドイツ語の力も、日本とドイツという二つの文化の間を行ったり来たりしながら考える力も同時に付けよう、そして、いろいろな専門の枠を超えて学際的な見方をしていこうというのですから。ドイツ語の初心者だからとか、むずかしい議論は苦手だという人も、心配しないでまずはゼミに参加してみてください。きっとあなたの求めているものが何か一つは見つかると思います。そして私たちも、皆さんといっしょに探していくうちに、このゼミナールで何か新しい、面白いことが見つからないかと期待しているのです。
 
日  時:1992年7月25日(土)〜30日(木)
場  所:〒389-13 長野県上水内郡信濃町野尻湖 ほとり荘   TEL:02625-8-2602
参 加 費:40,000円(5泊6日の宿泊・食事、テキスト、通信費を含む)
参加資格:大学の専門課程(3年生以上)または大学院修士課程でドイツ語・ドイツ文化を勉強しているか、ドイツに関連す     るテーマに関心を持ってドイツ語の勉強をしている学生であれば、専門は問いません。(博士課程学生は人数に余裕     のある限り参加可能です)
募集人数:25名程度
申込締切:1992年6月30日(募集人員に達し次第締め切ります)
申 込 先:東京大学教養学部外国語科 吉島茂 宛郵送
     〒153 東京都目黒区駒場 3−8−1
問い合わせ先:吉島=03−3482−8887、大石=045−953−0149
       境=0423−84−2861、Braa=3584−3201 
       東京大学教養学部ドイツ分科研究室:03−3467−1171(内線379:稲本)
◎テキスト等は7月10日頃までに送付しますので、その時点での住所を申し込み書に明記してください。
◎野尻湖畔では自由時間に、水泳、ハイキング、ボート、ピンポン、テニス、山登り等のスポーツを楽しめます。水着などをお忘れなく。その他に、天気さえよければ、湖上祭の花火も楽しめます。
指導:Ingeborg Braa(Goethe-Institut Tokyo)、Peter Giacomuzzi(東京大学講師)、Euglena Golm(早稲田大学講師)、稲本 守(東京大学助手)、幸田 薫(東京都立大学助教授)、Alois Moosmüller(慶応大学講師)、大石紀一郎(東京大学講師)、Thomas Pekar(東京大学講師)、境 一三(成蹊大学助教授)、坂本清子(横浜国立大学講師)、吉島 茂(東京大学教授)
 
1992年5月
 
Interuni−Seminar実行委員会  Ingeborg Braa、吉島 茂
協力:Deutscher Akademischer Austauschdienst(ドイツ学術交流会)
   Goethe−Institut Tokyo(東京ドイツ文化センター)