21.interuniversitaeres Sommerseminar fuer deutsche und japanische Kultur
 第21回 ドイツ語ドイツ文化ゼミナール


 Kultur und Krieg 文化と戦争



 インターウニ・ゼミナーールは、ドイツの文化・社会に関心を持つ日本人とドイツ語圏の人がさまざまな大学から集まって(interuniversitaer)、一つのテーマについて、日本とドイツの文化を比較・対照しながら(interkulturell)、専門の枠を超えて(interdisziplinaer)、ドイツ語で話し合うゼミナールです。また、参加者が、国籍・文化の違いはもちろん、先生と学生という立場の違い、世代の差や性差、あるいはそれぞれの関心の違いを超えて討論し、たがいに学びあうこと(interlernen)が重要だと考えています。このゼミナールが目指しているのは、単なるドイツ語会話の練習ではなく、現代的な問題についてドイツ語で議論することです。また、その経験が参加者の専門的な研究と結びつくことも期待しています。
 今回のテーマは、「文化と戦争」です。このテーマを取り上げた背景には、ヨーロツパではNATOがコソボ紛争に軍事介入して、現実に「冷戦」の終焉以後における「戦争」が起こっている、ということがあります。それにもかかわらず、「平和な」日本に住む私たちは平穏無事な普段の生活を続けています。戦争は対岸の火事なのでしょうか?しかし日本でも、「周辺事態」や「後方支援」などをめぐって、日米防衛協力のガイドラインについて政治的な論議が交わされています。それに、家族間の「戦争」、言語間の「戦争」、宗教間の「戦争」、両性間の「戦争」etc.を考えれば、私たちの身の回りは「戦争」で満ち溢れています。テレビゲームの中にはどんなにたくさんの「戦争状態」や「戦闘行為」があることでしょうか。しかも湾岸戦争以来、今回のNATO軍の空爆もそうですが、戦争はコンピュータ制御で行われ、メディアの報道が戦争のイメージを左右しています。テレビの画面を見る限り、現実の戦争もテレビゲームの戦争と区別がつきません。このような時代に私たちは「戦争」についてかつてと同じイメージで語ることができるのでしょうか。
 もっとも、このゼミでは「戦争」を国際政治やメディア論の問題としてだけ考えるつもりはありません。「戦争」は文学、思想、音楽、絵画、映画などでテーマとなり、描写と考察の対象になってきました。こうした知識人や作家、芸術家による「戦争」についての言説や表現は、反戦を訴えるためだけでなく、国民を戦争に動員するためにも用いられました。さらに19世紀以来、戦争が経済活動の活発化や女性の地位の向上といった社会の変化をもたらしてきた側面もあります。軍事技術の発展が日常生活の便利さとも結びついていて、わたしたちが気づかないところでその「恩恵」を受けている、ということもあります。
 こうしたさまざまな「戦争」のありようを多角的な視点から検証してみようというのが、今回のゼミナールの目論見です。いろいろな方面に広がるテーマですし、なかには難しい問題もありますが、このゼミナールの間に何でも「解決」してしまおう、などと欲張った考え方をしているわけではありません。むしろ、日本語とドイツ語の世界を行ったり来たりしながら、普段私たちが抱きがちなイメージを見直し、違った見方や考え方にふれて、いろいろな疑問を見つけていこうと思います。
 基本的には、小人数のグループでテクストを読み、討論し、その内容をドイツ語で報告し、それをもとに全員で討論します。ゼミでは、なるべくドイツ語で発言するようにしたいと思います。でも、ドイツ語に自信がなくて、何か言いたいことがあっても、どう言えばいいのかわからないという場合は、まず日本語で言ってから、みんなでドイツ語になおす練習をしてみましょう。
 28日の午前中は学生参加者が企画する時間にしたいと思います。できるだけ参加者の皆さん自身が取り上げたいテーマを提案して、できれば具体的なテクスト・素材などを申込用紙の裏面に書いて下さい。



日  時:1999年7月25日(日)〜30日(金)
場  所:長野県上水内郡信濃町野尻湖 ほとり荘
参加費:40,000円(5泊6日の宿泊・食事、テキスト、通信費を含む)
応募資格:大学の専門課程(原則として3年生以上)または大学院でドイツの文化・社会に関心を持ってドイツ語の勉強をしている学生であれば専攻は問いません。
募集人数:25名程度
申込締切:1999年7月5日(月)(募集人員に達し次第締め切ります)



◎準備のためのテキスト等は7月10日頃に送付しますので、その時点での住所を申込書に記入して下さい。
◎野尻湖畔では自由時間に水泳、ハイキング、ボート、ピンポン、テニス等のスポーツを楽しめます。水着などをお忘れなく。その他に、湖上祭の花火(27日)もお楽しみに!!


講師:大石紀一郎(東京大学助教授)、境一三(慶應義塾大学助教授)、長木誠司(東京大学助教授)、松永美穂(早稲田大学助教授)、山之内克子(神戸市外国語大学助教授)、吉島茂(聖徳大学教授)、Mechthilde Duppel-Takayama(慶応義塾大学講師)、Peter Giacomuzzi(東京大学講師)、Juergen Lenzko(Goethe-Institut Tokyo)、Sabine Plum(早稲田大学講師)、他


1999年6月


Interuni-Seminar実行委員会:Juergen Lenzko、大石紀一郎、境一三
協力:Deutscher Akademischer Austauschdienst(ドイツ学術交流会)
Goethe Institut Tokyo(東京ドイツ文化センター)